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目隠しフェンスの高さと配置の正解。「窓から離れるほど見えてしまう」視線の罠

導入:せっかくの庭、カーテンを閉め切っていませんか?

「広いリビングと庭を手に入れたのに、道路からの視線が気になってレースのカーテンすら開けられない」
これは、首都圏の戸建て住宅で最も多い悩みの一つです。

解決策として「目隠しフェンス」を検討し始めると、ネット上には「高さ180cm(1.8m)あれば安心」という定説が溢れています。
しかし、何も考えずに敷地境界に高い壁を立てると、圧迫感が出るだけでなく、「斜めから丸見え」という失敗に陥るケースが後を絶ちません。

結論を申し上げます。目隠しフェンスの正解は、一律の高さではありません。
「視線の入射角」を計算して設置位置(距離)を決め、「足元のデザイン処理」で不自然さを消す。この論理的なアプローチこそが、開放感とプライバシーを両立させる唯一の方法です。

1. 「高さ180cm」神話の嘘と、本当の計算式

一般的に、成人の目線の高さは150cm〜160cmと言われています。これに余裕を持たせた「180cm」が標準とされがちですが、これは平坦な土地での話です。
実際には、道路と敷地の高低差(GL設定)によって、必要な高さは劇的に変わります。

失敗しない「高さ」の算出ロジック

必要なフェンスの高さ(H)は、以下の計算式で簡易的に求められます。

  • H = (隠したい目線の高さ) – (敷地の基礎高さ + ブロック高さ)

例えば、道路より敷地が50cm高い場合、180cmのフェンスを建てると、道路側からは実質「2.3mの巨大な壁」に見えます。これでは威圧感が強すぎます。
逆に、道路より低い土地であれば、2m以上のフェンスが必要になることもあります。

2. 「距離」の戦略。境界線か、窓前スクリーンか

高さと同じくらい重要なのが、「どこで視線を切るか」です。
庭に奥行きがある場合、選択肢は「境界線(遠く)」か「窓前(近く)」に分かれます。

戦略 配置の特徴 メリット デメリット・注意点
A. 境界線ガード
(Boundary)
道路際(敷地境界)に
フェンスを建てる
庭全体が守れる
庭で遊ぶ子供の姿も含め、敷地内すべてがプライベート空間になる。
コスト増・圧迫感
距離が遠い分、斜めの視線を切るために幅を広く、高さも高くする必要がある。
B. 窓前スクリーン
(Window Front)
窓から1.5〜2m位置に
独立して立てる
合理的で安価
必要な範囲だけ隠せるため、短い幅で済みコストを抑えられる。
配置センスが必要
ただ立てるだけだと、庭の真ん中に壁があるような違和感が出る。

3. 窓前スクリーンの正解(デッキなし・人工芝の場合)

「うちはタイルテラスもウッドデッキもない。掃き出し窓の前は人工芝(地面)だ」という場合、窓前にどうやって目隠しを設置すべきでしょうか。
ただ唐突にフェンスを立てると、庭を分断する無粋な壁になります。
ここで上級プランナーが使うテクニックは、「足元のステージング」です。

「根本」をデザインして、オブジェ化する

芝生の中からいきなりアルミの柱が生えているのは不自然であり、芝刈りやメンテナンスの邪魔にもなります。
そこで、フェンスの足元に別の素材を入れ込みます。

  • 割栗石(ロックガーデン): フェンスの足元に黒やグレーの石を敷き詰める。
  • 低木・下草: 足元だけ少し植栽を入れる。
  • ピンコロ石の見切り: フェンスのラインに合わせて石のラインを通す。

このように足元を装飾することで、その目隠しは「邪魔な壁」から、「庭のアクセントとなる独立スクリーン(オブジェ)」へと昇華されます。
LIXILの「デザイナーズパーツ(枕木材)」などを数本立てるスリットスタイルも、この手法なら美しく納まります。

💡 プロのアドバイス:テラスがある場合は「フレーム」

もしウッドデッキやタイルテラスを設置する予定があるなら、フェンスではなく「フレーム(柱と梁)」で囲う手法(LIXIL プラスGなど)が最適解です。
地面から生やすのではなく、テラスという「部屋」の一部として壁を作るため、建築的な一体感が生まれ、最も美しい仕上がりになります。

4. 圧迫感を消す「デザインの連続性」

配置が決まったら、最後は「見え方」のコントロールです。
コストを抑えようとして、目隠しフェンスとメッシュフェンスを直線上に並べてしまうと、継ぎ目が目立ち「取って付けた感」が出てしまいます。

Same Series, Different Panel(同シリーズ・異種パネル)

洗練された外構を作るコツは、フレーム(枠)を統一することです。
主要メーカーのフェンスには、同じ柱で「完全目隠し(ルーバー)」「半目隠し(スリット)」など、多彩なデザインが用意されています。

  • 窓の正面: 「ルーバータイプ」で視線を100%カット。
  • その横の並び: 同シリーズの「粗めの横スリット」に変更。

このように、フェンスの種類をガラリと変えるのではなく、「透過率(透け感)」をグラデーションのように変化させることで、機能的なメリハリと建築的な美観を両立できます。

5. 首都圏における費用目安(工事費込・税別目安)

以下は、品質の安定した国内メーカー製フェンス(高さ1.8m想定)を、10m設置した場合の概算です。
基礎工事の難易度(ブロック積み増しか、独立基礎か)によって費用は変動します。

グレード 仕様イメージ 概算費用(10m) 特徴
スタンダード アルミ形材フェンス
(木目調ラミネートなし)
25 〜 40万円 耐久性は高いが、無機質。裏側がアルミ色のままの製品が多い。
ミドル・ハイ 人工木・樹脂フェンス
(両面木目調)
40 〜 70万円 天然木のような質感で腐らない。本記事で推奨するグレード。
独立スクリーン LIXILプラスGなど
(幅2〜3mの単体設置)
30 〜 50万円
(一式)
窓前の「オブジェ」として設置。足元の石貼り等の装飾費含む。

まとめ

目隠しフェンスで失敗しないためのポイントは以下の3点です。

  1. 高さを計算する: 「なんとなく180cm」ではなく、GL差と室内目線から「必要最小限」を算出する。
  2. 足元を処理する: 地面(芝)に立てる場合は、足元に石や見切り材を入れて「デザインされた壁」にする。
  3. 統一感を出す: メッシュと目隠しを乱暴に繋げない。同シリーズのパネル違いで美しくまとめる。

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